宇土市民会館 姜尚中「明日への言葉」講演録1

2012年05月26日

  去る5月12日,宇土市民会館にてNHKラジオ深夜便の集いが行われ,この一環で姜尚中教授による講演が行われました。その講演の文字起こしが完了し,放送もされましたので,ここに講演要旨をアップいたします。

 (冒頭)
この講演会の前に江戸家猫八さんの鳴きマネを舞台袖でずーっと聞いていた。子どもが小さかった時に鶏の鳴きマネをすると泣きやんだりしたことがあったので,興味を持って聞いた。ここでちょっとやってみようかな・・・(会場拍手)

猫八さんは最後に「ふるさと」の曲にのせて鳴きマネをされたが,私のふるさとは熊本市の国道3号線沿いにある。そこで聞いた動物の鳴き声が今でも頭に残っている。小さい頃は母とよく宇土や三角に行っていた。また学生の時は赤瀬,網田まで自転車で来たりしていた。
上京して約40年たち,今は千葉県の,東京との境の所に住んでいる。県境には川があり,川向こうには葛飾柴又がある。昨年の震災後この付近が原発のホットスポットになってしまい,地価が低下。人口が減少している。都心に近いところで人口が減ることなど今までは考えられなかった。

 (本題に入る)
 今日は「母なるもの」について考えてみようと思う。先ほど猫八さんの話の中で「お袋」という言葉を使われたが,「お袋」という言葉を最近聞かなくなった。「お袋」の袋は子宮のことを指し,母親の敬称であるのだが,この言葉が最近消えつつある。韓国でも「お袋」に似た言葉で「オモニ(女性ことば)」があるが,この言葉も聞かれなくなっている。60を過ぎた今でも私にとって母は最大の存在であり,近年は「オモニ」という本を出版・ベストセラーになった。韓国でも「オモニ」を題材にした本が100万部を越えるベストセラーとなった。

 ところで,熊本には残念ながら地下鉄がない。地下鉄がある都市の傾向として,大体人口が200万以上ある。福岡には地下鉄があるが,経済規模を考えた場合福岡には到底かなわない。それで,私は日ごろから「熊本は九州の州都になるべき」と言い続けている。「九州のワシントンに」という意味で。福岡はニューヨーク,鹿児島はロスあたりになるんじゃないか(冗談?)

 昨年の大震災の直後,3月25日に福島へ行った。その時は警戒区域にも入った。そこで「ひとつの時代の終わり」を感じたし,「新しい時代に入った」ことも併せて実感した。福島で最も感銘を受けたのは,現地の小学生の言葉。『これからは自分で自分を守らなければいけない。だから友人を大切にする』

 また,昨年の震災後にこのような予測を耳にするようになった。
 U+2460東京直下型地震が4年以内に70%の確率で発生する。
 U+2461富士山が落下する。この影響でふもとの御殿場が土砂で流れてしまう。
 直下型地震等の大災害となった場合,例えば東京メトロで一番新しい地下鉄大江戸線は一番地下深いところに敷設されていて,かなりの損害が発生する恐れがある。


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Posted by ベンジー@宇土 at 07:02│コメント(0)宇土のこと
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